管理人
高麗人参は誰でも利用できるというものではありません。持病をおもちの方や妊娠・授乳中の方は摂取しないで下さい。ここでは、高麗人参の副作用・飲み方・注意すべき飲み合わせ・食べ合わせについてまとめました。
漢方生薬は全てそうなのですが、例えば食事の前に摂取するのと後に摂取するのとでは、得られる効果が少し異なるという特性があります。
このような特性を知っているのと知らないのとでは、同じ生薬を用いていても効果の出方や副作用などが全く異なってくるので、きちんと理解しておかなくてはなりません。
副作用的な症状を説明する前に、高麗人参には「体を温める」効果と「全身の気力を高める」という効果があります。この効果により、薬効を発揮するのですが、人間の体質には個人差があります。
産まれつき体が温かい、運動を日頃からやっていて暑がり、肥満体で暑がりなど
過剰なストレス、緊張の連続、成長期、などで心身ともに充実している場合など
このように「体に熱がこもっている」「気力が充実している又は亢進している」方には、高麗人参の持っているパワーが、よりその偏りを助長させてしまい、体に不快症状をもたらします。
例えば、運動後で身体に熱がこもっている時に、厚着をして体を温めたらどうでしょう。体は更に温まり具合が悪くなるのが普通だと思います。
高麗人参にはこの厚着のように体を温める効果があるので、体が冷え気味の方や、体力が低下している方には素晴らしい効果を発揮しますが、すでに身体が温まっている方の場合、不快症状といった副作用を引き起こす場合があります。
顔がのぼせる ・ 胸やけ ・ 肌が痒くなる ・ 湿疹が出る ・ イライラして不快 ・ 眠れなくなる ・ 情緒不安定になる ・ 胃痛 ・ 吐き気 ・ 血圧上昇 ・ 体がむくむ ・ 動悸がする
胎児や乳児に影響を与える可能性があるそうです。高麗人参の安全性についてわかっていない部分が多いので、妊娠・授乳中、子どもは摂取を控える必要があります。
不眠症(睡眠障害)・ 月経異常 ・ 乳房痛 ・ 心拍数増加 ・ 高/低血圧 ・ 頭痛 ・ 食欲不振 ・ 消化不良など
※参考サイト:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
これだけの副作用が記載されていました。高麗人参サプリを利用して、これらの心配な症状が出た場合はサプリを停止し、かかりつけの医療スタッフに伝えて治療をしてもらうことをおすすめします。
また、持病がある方は医師に相談して利用しても大丈夫なのか確認しましょう。もしかしたら、漢方として今利用しているお薬と一緒に出してもらえる可能性もあります。
「高麗人参を続けていたら下痢になりました」という声もあります。副作用ととらえてしまいがちですが、実は好転反応と呼ばれる症状とされます。
下痢は、高麗人参が順調に効いているサインなのですが、高麗人参を飲み始めたら下痢になれば誰もが「自分には合わない」と判断し、途中でやめてしまうと思います。
しかし、長くても3週間ほどでピタッと止まりますので、気にせず続けてみることをおすすめします。
高麗人参は何千年も前から漢方薬として用いられてきたという歴史があります。その歴史の中で高麗人参は「上品」とされています。
上品とは【副作用が少なく、効果も確かなものであり、長期に渡って服用することが出来るもの】と位置づけられています。
このように、高麗人参は長い漢方薬の歴史の中でも副作用が最も少ない生薬として分類されていますが、上記のように「体質によっては不快症状が出る」こともありえます。
特に激しい副作用が起きるとは考えられませんが、可能性はゼロではありません。不快症状が引き起こされた際には速やかに服用を中止し、医師・薬剤師に相談しましょう。
これらの食べ物と高麗人参を一緒に摂取してしまうと、交感神経への刺激性が高まるので胃痛や不眠、動悸、不整脈、頭痛、のぼせ、肌の痒み、肩こり、首こりなどの不快症状が引き起こされることがあります。
高麗人参には交感神経を刺激するという働きがあるので、同じく交感神経を刺激してしまう飲食物を摂取してしまうと、その作用が重複してしまい、思わぬ副作用が生じることがあるので注意が必要です。
タマネギ ・ ニガウリ ・ キノコ類 ・ アボカド ・ ブロッコリー ・ 納豆 ・ ヤーコン茶 ・ プーアル茶など
これらは強力に血糖値を下げる作用はありませんが、体調の変化などによって高麗人参と併用することで下がりすぎてしまうことがあるので注意するようにします。
高麗人参には血糖値を下げるという働きがあるので、血糖値を下げる作用のある食べ物や薬と併用する場合には注意が必要です。
血糖値に問題がなく安定している場合にはそれほど神経質になる必要はありませんが、糖尿病やストレスなどで血糖値が不安定になっている場合には思わぬ副作用が生じることがあります。
冷たい水 ・ アイス類 ・ スイカ ・ 梨 ・ 柿など
体を冷やす作用のあるものと高麗人参を一緒に摂取してしまうと、高麗人参の持つ体を元気にする作用や、胃腸の働きを活性化する作用、冷え性を改善する作用などが減弱してしまうので注意するようにします。
特に胃腸の働きが弱っている時に、その改善として高麗人参を利用する場合には、冷たい飲食物は絶対に摂取しないようにすることが大事になります。
ワーファリンなどの血液の流動性を高める作用のある薬と高麗人参とを併用すると、血液サラサラ効果を減弱させてしまうという研究結果が報告されています。
実際に人による実験では、ワーファリンと高麗人参との併用で、その影響は認められていないので、それほど神経質になる必要性はありませんが、少なからず薬の作用を減弱させてしまうことがあるようなので、併用する際には十分注意しながら用いるようにします。
高麗人参には肝臓の代謝に影響を与えてしまうという性質があるので、肝臓病の薬であるアミトリプチリン、クロザピン、コデイン、デシプラミンなどとの併用は避けるようにします。
更に、高麗人参には体の保水力を高めて血圧を上昇させるという作用があるので、高血圧を改善する薬を服用している場合には、専門家に相談してから服用するようにします。
管理人
漢方薬は「食事の30分前に服用するもの」として受け継がれてきたので、高麗人参においても朝昼晩3回の食事の30分程度前に服用するのが一番のタイミングですが、体質や効果によって違う場合もあるので確認しましょう。
消化不良や食欲不振、胃もたれ、胃弱、胃下垂、胃痛などを改善するために高麗人参を利用する際には、必ず食前に摂取するようにします。
食前に摂取することにより、空腹の胃腸の粘膜へ直接作用することが出来ることや、摂取直後に効果が出るので、食欲や消化能力を向上させることができます。
特に、常に食欲がない…、食べると必ず胃もたれするなどの症状がある場合には、なるべく食事の30分前にぬるま湯にて服用するようにします。
高麗人参を空腹時に摂取すると胸焼けや胃もたれを感じるという場合があります。
これは高麗人参の刺激性が胃粘膜を刺激して不快症状を生じさせてしまっているので、刺激性を緩和させるために食後に服用するようにすると改善されます。
冷え性がひどく、それを高麗人参によって改善したいという場合には、体を温める作用のある熱い湯に溶かして服用したり、熱い酒に混ぜて服用するという方法が効果的です。
冷えているのにも関わらず、冷たい水などで摂取してしまうと、内臓を冷やしてしまい、逆に冷えが進行してしまい、せっかく高麗人参を摂っていても効果が半減してしまいます。
よって、冷え性改善に役立てるには少なくともぬるま湯以上の温かさの飲み物にて服用することが望まれます。
ダイエットに高麗人参を役立てたいという時には、代謝が向上する運動や入浴の前に服用するようにします。
運動や入浴前に摂取することで、代謝を向上させることができるので、よりダイエット効果を高めることができます。空腹・満腹に限らず、運動や入浴の直前に利用するようにします。
また、人間には自律神経のリズムがあり、代謝が活性化するのは午前10時〜午後3時までが最も高いので、この時間に高麗人参を用いると効果が高くなります。
慢性的なだるさや疲れは自律神経のリズムの悪化や、心身の疲労が原因になっていることが多いです。これらを改善するためには高麗人参を必ず朝一番に摂取することが大事になります。
朝一番に摂取することにより、体の代謝及び中枢神経刺激が高まるので、自律神経のリズムが整いやすくなったり、心身の疲労が改善されやすくなります。
朝一番と昼に服用して、夜は摂らないようにすると効果的です。
管理人
なぜ食事の30分前がいいのかというと、漢方薬は胃腸での吸収率があまりよくないからです。
人間の胃腸というのは空腹時に胃腸に入ってきたものは吸収が比較的良く、食後に入ってきたものはあまり良くないという傾向にあります。
なので、吸収率のあまり良くない漢方薬の高麗人参は、食事の前の空腹時に服用するのがいいというわけです。
管理人
1日何回飲めばいいのかというと、「1日…3回もしくは2回」がいいと言われています
といった特徴があるので、1日数回に分けて飲むのが一番効率的な飲み方です。
「めんどくさいから朝1日分をまとめて飲んじゃおう」という飲み方は、効き目が出ない可能性が高いということです。
3回の場合は朝昼晩の食事の前に服用し、2回の場合は朝と晩の食事の前の服用となります。サプリなどを利用する場合は、記載されている容量を守ることをおすすめします。
はじめて高麗人参を利用するという方は、こういったお試し商品から自分の体調を見ながら利用してみるとよいでしょう。
以上の服用の仕方は、長期に渡って服用を続け体質を改善するケースですが、高麗人参は「頓服」といって、パワーを補充したい時だけ服用する方法もあります。
例えば運動の前や、飲み会の前、彼女と遊ぶ前、旅行に行く時など、ここぞという時に飲んでパワーを漲らせるという飲み方もあります。
そのような時も、なるべくなら空腹時に服用するようにすると、効果を早く実感することが出来ます。もし、飲みたいと思った時に空腹でない時は、別に空腹にこだわることなく服用しても問題ありません。
ちょっと効果が出るのに時間を要しますが、飲まないよりは確実に元気になりますし、結果的に早い遅いなどの差がありますが、効果は期待できます。